BUS STOP!!!07 「だ、大丈夫…?」 "SADA"さん、私は色んな意味で大丈夫じゃないです。 「ちょ、朗菜。しっかりしてよ。」 梨伊子、私にどうしろと?好きな人の目の前で、ゲロ吐いたよ。 「朗菜―ッ!!ぎゃはははははははははは!!!!!」 亘、アンタはいつも鬼だな。人の不幸を笑いやがって…。 「朗菜…、しばらく横になっとけよ?」 あぁ、一番優しいことばを掛けてくれるのは、隆樹、アンタだけだわ…。 というわけで、私はブッ倒れてました。もう、最終的には胃液まで戻して、フラフラになって、道に倒れちゃいました。 まー、御崖山の頂上、ってことで、風はスッキリ通るし、涼しいし、最高だったんだけど… こんなんになっちゃった。 私って一体何なんだろうな…って遠くを見つめてみたりしてみたけど、何も起きなかった。亘に笑われただけだった。 ちなみに、"SADA"は、バスの出発予定時刻になっても一緒にいてくれた。 どうしてだろう。…嬉しかったのに、苦しかった。 恋をすることは、そういうことなのかもしれない。 苦しくて、哀しくて、それでも好きで。 …なんてか、かなりまずかった。 「なァ、朗菜ぁ…」 「なに…?」 「俺、やっぱりまずいこと提案したのかな…?」 「はは、そんな消極的なんて亘らしくない。…いぃの。私が行くって言ったんだから。」 「そう…。このコが、"SADA"さん見つけて行くって言い出したんだから、いいのよ。」 「ぅ〜ん、梨伊子、オマエ相変わらずキツイなー。」 「…悪かったわね。」 「も少し、朗菜のこといたわってやれよ…」 「隆樹まで。…うるさいわねぇ。自分から言い出しのよ?それなのに、私たちが気にしててどうしろっていうの。」 「まー…オマエの言うことも一理あるけどさ。」 「私は、甘やかすことは出来ないわ。…そりゃ、隆樹みたいに朗菜にトクベツな感情抱いてれば別でしょうけど?」 …………………………あ? 「えーっ!?そうだったの!?嘘だろ?隆樹、朗菜のコト好きだったのか!!!」 亘が、1人で興奮してるのが、見えた。 「…隆樹ッ…ごめん…」 「梨伊子…。」 隆樹が、梨伊子をじっと見つめていた。 「お前なぁ…?」 隆樹が、梨伊子をじっと見つめていた。 「ごめん!本当にごめんっ!!!」 梨伊子が、只管謝っていた。 「何でだよー。俺にも隠すっていうのか!?」 「だって!!!」 隆樹が叫ぶ。 「だってお前…亘も、朗菜を好きだって言ってたじゃねーかっ!!!」 …………………………おい。 「そんなの中学の頃の話だろ!?」 「でも俺は、中学からずっと朗菜が好きだったんだからっ!!」 「えっ、最近じゃなくて、あのころからなのかっ?」 「そうだよ!亘が朗菜を好きだって言うから、いえなかったんだよっ…お前にだけはっ。」 「そんなのねーだろぉ〜?…言ってくれよ、それぐらいっ!いつも一緒にいるんだから、ありえることじゃねーかっ。」 「でも、俺は朗菜も好きだったけど、それを言うことでお前との関係が壊れるのも嫌だったんだよっ…」 「ンなこと言われたって…。オマエが苦しんでる間、俺はのうのうと生きてたってわけかよ…」 「そうだけど、しょーがねぇだろぉっ…?」 「……………………………。」 なんて言ったらいいんだろう…。 なんて言ったらいいんだろう…? ねぇ、私は。 私は、"SADA"が好きなんだよ。 どうすればいいンさ???????? ま〜、亘の場合、過去の話になってるけどさぁ。 私、…なんだろう。 もう、なんも考えられない。 「"SADA"さぁん…」 "SADA"を呼んだ。"SADA"はすぐに気付いた。 「大丈夫?どうしたの…?なんか、僕があんまりでない方がよさそうだけど。」 「いいんです。…私が好きなのは、"SADA"さんなんですから。」 "SADA"の手を借りて、私は立ち上がった。 「ねー…みんな。」 なんだろう、私のこのテンション。 あ〜そうか。…バス酔いしたんだっけ。 「朗菜…。大丈夫なのか…?」 隆樹の心配そうな声は、無視の方向で。 「…ね、私、今から下降りる。…皆は、せっかく学校サボってるんだし、楽しんでて?」 「ちょ、何よそれ!?」 「…私、"SADA"さんのバスに、1人だけ乗り込んで、降りるよ。」 隆樹の顔が強張った。 「…わかった。」 「隆樹ッ!?」 「梨伊子。…あいつは、俺たちといたくないんだよ。…わかれよ。」 「わかんないわよ!」 「…俺は、今でも、…朗菜が好きだし。…中学の頃、亘が朗菜を好きだったことも、朗菜にはわかってしまったし。」 …隆樹が言ったんでしょーが…。 あ〜頭痛い。 「その朗菜が、俺たちと一緒にいるのが気まずいってことは、俺らの完璧なる片想いだったわけだろ?…なら、俺も一緒にいないほうがスッキリして、いいんだよ。」 「でも、それは私には関係ないもの。」 梨伊子が私をキッと睨んだ。 「私も一緒に行くわ。」 「来ないで。」 即答したのは、私。 「…お願い。独りに、して。」 こんな、少女漫画の主人公のようなセリフを自分が吐くなんて思わなかったけど。 よっぽど、身体の調子が悪いらしくて。 私は、"SADA"の身体に捕まりながら、バスへと向かった。 梨伊子の悲しそうな顔がやけに心に残ってた。 大好きな"SADA"に肩を貸してもらっていたのに、私は――嬉し涙じゃない涙を流していた。 もう、4人は中学時代と同じには戻れない―――――そのことに対して。 こんなに哀しくなるのに、どうして人は人を好きになるんだろう。 こんなに苦しくなっても、どうして人は人を嫌いになれないんだろう。 私は、どれだけ隆樹に想われても――答えることは出来ないし、 どれだけ"SADA"に憎しみを持っても、嫌いになれない。 帰り道もいつも通り酔ったけど、それでも、何も変わらなかった。 私のテンションの低さも変わらなかったけどね。 "SADA"に明日からの予定表ももらってみたりした。 …また、バスに乗ろうというのだろうか。 子どもが…しかも、私と同級生の子どもが…いるっていうのに。…それでも、私はあの人が好きなんだ。 だって、どうして諦めなきゃいけない? 初めて、人を好きだと想ったのに。 "SADA"…"SADA"を初めて見た瞬間から、私の人生には色が初めてついたのに。 今更、どうしてその気持ちを捨てることができる? 別に、私は"SADA"に釣り合うなんて思ってない。 思ってないけど、でも、別に――遊びでいい。遊びでいいから…一緒にいてほしい。 ただのミーハーとか、ファン心理じゃなくて…本当に、本当に好きになってしまっていたんだ。 "SADA"がいなければ、今の私がいないのは事実だし。 ライブ中の笑顔が私だけに向けられたものじゃないとしても…私は、それでもいいんだ。 ずっと私が"SADA"を想い続けることが大事なわけで。 他の人から少しでもリードしようと思えば、…やっぱりバスに乗らなきゃ駄目だけどさ。 …私は、"SADA"が好きだ。 どうして――どうして、こんなに――――― こんなに、苦しいんだろう――。 明日からは、梨伊子に会うのも切ない。 もう、4人はあの頃の4人とは違ってしまったんだ。 私は、皆が大好きだったけど。 …それぞれの気持ちが…すれ違ってしまった… 馬鹿やってた、あの頃に凄く戻りたい。 …戻りたいのに… あー。駄目だ。…なんか、今日は。…泣く日だ………。 私は、独り、ベッドの中で色んなことを想いながら、泣いてた。 「おはよーっ!!」 学校の喧騒がやけに耳につく。 「おぅ。…おはようサン。」 どうして?何がそんなに楽しいんだろ…。 「朗菜、オハヨウ♪」 同じクラスの女の子が私の顔を覗き込んで、驚いた顔になる。 「チョッ…チョット、朗菜!?…大丈夫ッ!?」 「何が―――――?」 「顔色、真っ青だよっ!?」 「……ちょっと、バス酔いしただけ…。」 さらにそのコは驚いた顔になる。 「えーっ!?朗菜、って…バス、全然駄目なのに、朝乗ってきたの!?」 「…うん。」 保健室送りになりました。 私は、結局、やっぱり"SADA"が好きだったから。 毎日1限目は保健室で寝るようになってしまったけれど。 それでも、やっぱりバス通学にすることにしました。 …わははははははははははははっ!!! 私は、恋に生きる女になるのじゃーっ!!! 「もう、朗菜は本当に――馬鹿ね。」 「そりゃ、梨伊子のが頭いいのはわかってるけどさ。」 「……ま、ユックリ休みなさい。」 「おろ?怒らんの?」 「――…何か、あんたらしくて、いいわ。」 梨伊子の笑顔。 …少し、ぎこちないのは確かだけど―――――。 なんとかやってます。 さ、今日も朝からバス通学―――――。(しかも遠回り) コメント: 2004.01.17.UP☆★☆ はーっ…。こいつは、どうにもならないと思いました。 何度も、何度も書こうとしたんですけど、ちっとも浮かばない。 半ば強引に、終わらせてしまいました。私の今までの作品で最低ランクかもしれない。 こんなものを伽耶さんに送らせてもらってもいいのか悩みましたが、 このまま続けていっても、もっとまずくなるだけかなァと思いまして。 また、推敲するかもしれませんが。 全然、『ライブ』ってことも生かせなかったし。 …また、手直しされることを祈って下さい。 ごめんなさい。それしか言いようがないですが。 …これにて、完結とさせていただきます。 ご愛読ありがとうございました。 (只今高熱が出ているため、文章がおかしいかもしれませんがご了承ください) 2004年1月17日 21:04 悠樹似卯。 |