TOGETHER オマエを隣に乗せて何度この道を走っただろうか。 今、俺は独りで走っていた。 外は雪。 スタッドレスタイヤだが、チェーンよりは滑る。 付けるべきか・・・? オマエが気にいっていたバンドのCDを流しながら煙草を吹かした。 まさかこんなスキーの観光地に独りで来るわけが無いが。 仲間たちとは現地で待ち合わせしている。 流石にもう大学卒業した野郎に免許持ってない奴はいない。 それぞれ自分の車に乗っている。 俺は急に寒くなった。 エアコンの温度は28度。暑過ぎる位なのに。 ワイパーの動きも心なしか鈍い。 俺は誰も乗っていない助手席に置いてあるマフラーを手にとり、足の上に置いた。 マフラーは異常に冷たかった。 俺が寒さに手が凍え、ハンドルがうまく握れなくなってくると仲間の車2台が偶然追いついてきたかと思ったら変に車間を詰めてきた。 いきなりのバッシング。 携帯に至っては圏外だったため、電話する事も出来なかった。 わけもわからず俺は近くの店に車を止めた。 俺の隣に車をとめるやいなや仲間は車を降りてきた。 「何でオンナ連れてきてんだよ!?」 2人ともかなり怒っていた。だが。 「俺、1人だけど?」 当然の言葉。 だが仲間2人は余計に怒り出した。 「いや、確かにあんたの横に髪の毛の長いオンナが乗ってた。」 「リヤウインド越しに見えたぞ。ずっとあんたの方見てたよ。」 「まさか!?そんなオンナ、どこにいるんだよ?」 じと目で見てくる仲間に俺は助手席を開けた。 仲間たちは車の中を隅々まで見回し、沈黙した。 「ならなんで携帯電源切ってたんだよ?」 「あ?・・・切ってねぇよ。圏外だったじゃねーか。」 「そんな言い訳するなよ。俺たちだって携帯ぐらい持ってる。」 「俺たちは圏外なんかじゃなかったぞ。」 重い沈黙が辺りを支配した。 その沈黙に耐えられなくなって、俺は叫んだ。 「俺は1人で来たんだよっ!!!」 「じゃあ、あんた誰と乗ってたんだよ!?」 そんなの、俺が聞きた・・・ ぞくっ 急に背筋に悪寒が走った。 まさか。 まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか 俺の血の気が引いた。 オマエが? つい1ヶ月前。 オマエは死んだじゃないか。 6ヶ月前。 俺はオマエと別れたじゃないか。 オマエは毎日俺についてきた。 それが、愛? 確かにオマエは俺に幸せもくれた。 だが、今の俺にはもう、オマエは必要なかった。 遠まわしに断っても何も変化が無かったから 俺はオマエに俺の気持ちを伝えた。 はっきりと。 「オマエとの思い出は俺にとっての汚点だ。」 その次の日。 オマエは死んだ。 ご丁寧な事に長かった髪が短くなっていた。 なのに。 まさか。 霊・・・だぁ? 俺はそんなの信じない。 「どーせ影を見間違えたんだろ。」 俺はそう言うと車に乗り込んだ。 仲間2人が窓ガラスを叩いた。 俺は無視してエンジンを吹かした。 アクセルを踏み込んだ。
ソレハ幻覚 |
コメント: 2500GETの竹中一馬様へ♪ リクにあうかな?私としては、まぁ・・・っていうか「まぐまぐ」の公式メルマガ取ってるとばっちりわかりますよねー。(苦笑) 結構怖い話だったので、私の想像で勝手に色々付け足しました。 ずっと前に読んだ小説の影響も入ってるなぁ〜。 ま、このHPで私が書いたのでは初めてのSSなんでv 話が伝わってない気もするんですが;;; こんなんで良ければもらってくださいなー☆ 言い訳追加::: ってわけで言い訳を追加させていただきます。m(__)m 最初の方の主人公の言い分は、全て嘘だと思ってください。 寒いのは、体の調子が明らかにおかしいから。 友達にオンナは見えてません。 自分が作った幻覚です。全て。 ・・・とゆーことにしてください〜。 そうしないと、む、矛盾しすぎてる・・・(汗) BACK HOME |