7年目の裏切り


雷が―― 鳴る

忘れかけていた 彼の笑顔

泥の中にシャベルを突っ込むように

胸を

えぐる



7年目の再会

懐かしい顔 彼の 友達

笑いながら言ったその言葉に

私の心が根底から 揺れる



恋愛は

その形で終わったからこそ 糧となる

それ以降の変化など

何も

何も望まないのに



7年目の裏切り

彼は私を愛していなかったという真実

私は 彼を忘れて

他の男を愛しているはずなのに

心が 心が 心が心が

放り投げられた

根こそぎ 不安定な泥の中に

笑顔で隠しきれない 痛みが

全身を襲う

そして 笑う

彼を信じていた 自分に





雷の轟音と共に

遠い地へと旅立った彼

私は 雷が嫌いになった

私から彼を奪ったと

私は 雷が嫌いになった

お前が奪わなければ まだ一緒にいられたのだと



けれど

もし

彼が

まだ

近くにいたとしても―――――





 きっとずっと遠くにいるのだろう









美化された思い出のメッキが剥がれ

全てが1本の糸で繋がっていく

究極の 自然消滅だったと思っていた

それどころか

始まりすら 偽りだったなんて



忘れたい 忘れさせて

全てを・・・

彼に関する全てを







憎みたくても

今 ここに 彼は いない

 

:2005.01.06.
時効だと思うのなら、何も言わないで欲しかった。






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