まっくら


知ってた

そのひかりが消えかかってること

知ってた

手を打たなきゃいけないこと



知ってて

見ないフリして

小さな痛みから逃げて

結局気付けば

そのひかりはなくなった





手に入れた別の色のひかり

ねぇ あかに輝くそれは

ずっと側にいたおれんじよりも 大切なの?

この取引は 正解?

消えてしまったおれんじは 一生戻らない

私が大切に大切に17年間守り続けたおれんじは

目の前のあかを手に入れるために

たった1年で消えていった



もう少し 努力したら

おれんじを持ったまま

あかを手に入れられたかもしれなかったのに

私は しなかった

気付いていて しなかった

ただ 面倒だった

おれんじのことを忘れて

あかのことだけ 考えたかった





言いようのない 喪失感 虚無感

涙と嗚咽

身が滅びそうな後悔

おれんじがもうない







もう何も見えない

手元のあかのひかりすら

 
:2006.03.18.
手に入れたものは素晴らしいはずなのにその価値すらわからなくなる。






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