勝負師
そっと 太陽に手をかざす
そっと それを放り投げる
優しく投げて 激しく打ち付け
私は 私の目指す高みへ向かう
どれだけ泣きたいことがあっても
支えてくれる人の 大きな手を知っていた
ぎゅっと握れば 温かく包み込み
何も言わずに 抱きしめてくれる
その手に背中を押されて
私はいつもの戦いの場所へ 歩き出す
何度も何度もそこで汗を流して涙を流して
膝をついて歯を食いしばって立ち上がって
そして あの日
その場所が 紅く輝いて
私を応援してくれているのかと 思った
厳しい寒さや
揺れるような暑さも
全てその場所で感じてきたから
そこが私の味方なら
私は何処まででも飛んで行ける
ねえ 知っていますか
あのとき流した涙は
いつよりも 透き通っていたこと
あのとき流した涙は
いつよりも 熱かったこと
そう そうね
身を切られる痛さも敵わないつらさも知っているけれど
あのときの涙の色を知っているから
私は今日もそこへ行くの
それが私の生きる術
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