甘い香り
疲れ果てて 眠っていたら
あまぁい お菓子の香りで目が覚めた
あれ 誰か作ってるのかな
そう思って自分に苦笑
明日はバレンタインデーだった
溜息ついて
コートを着て
外に出てみた
案外 隣の部屋の匂い わかるんだね
そんなこと思いながら
夜の街に繰り出す
そりゃ 今だって
女である限り
同僚だとか 上司だとかに渡すけどさ
一生懸命張り切って
おいしい って言ってくれるかなって
そう思って
苦手な料理 がんばってたときを
思いだすと 寂しくなるよ
一個1000円程度の義理チョコ
そんなものしか
私の手元にはない
誰かを想って
チョコレートにまみれながら
奮闘なんて もう出来ない
こうやって 寂しくなるけれど
恋愛にはもう戻れない
こうやって 寂しくなる方が
まだ マシだもの
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