きらきら
冬の夕陽が
その場所に きらきら 当たっていた
知ってる ここ
自分で思った以上に
記憶というものは鮮明だった
たくさんの思い出が
私の胸を支配して
それをぎゅっと握りしめながら
あのときと全く同じように
歩いてみた
ちょっとしたこと 思いだして
ひとりでくすっと 笑って
そして あのことが 起こった場所に
辿り着いた
橋から下を見下ろして
あのときと変わらない風景を見る
下は川でもなんでもない
人工的な道路であることに気づいてしまった
あれから確実に時は流れている
あのときは新幹線で辿り着いたこの地も
私は 今 ここの住人
あのとき電車の窓に張り付いて見ていた観覧車も
あの人じゃない 誰かと 乗った
あのときには 戻れない
悲しくはないけれど
たまに ふっと
淋しくなるときは ある
そしてあのときに乗った駅から
あのときに乗らなかった電車で
あのときとは違う方向に帰る
もうあのときじゃないから
もう私は子どもじゃいられないから
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