透明人間




透明人間みたいに どこでもゆける うらやましいだろ

そんな強がり言えたのも 最初だけだったよ

      どうか 誰か

     僕の体に色を付けて

     名前という確かなもので 僕の存在を確かめさせて









街を歩いたって 皆自分のことばかり

自分よりも僕を優先させてくれる だれか

にっこり笑って 僕を僕として抱き締めてくれる だれか

そんなだれかと そう簡単には 出会えない







   それはわかってる  でも  でも

   だれか ぼくの名前を呼んで

   だれでもかまわないから

   はやくしてくれないと 見が切り裂かれそうだよ

   やけに 気温が暑く感じる 喉が渇く

   暑くて眠れない 目を覚ましても 目の前は真っ暗

   手を伸ばしても 虚空を切るだけ

   何も掴めない







何もかもどうなってもいい

何も考えずに持っていた ナイフが急に気になりだす

みんな いなくなってしまえばいい

独りであることが 当然になってしまえば







きっと こんな苦しさから 逃れられる

こんな世界を夢見ていたわけじゃない

壊してしまいたい







          だけど 僕は いつも

          ナイフを握り締めて立ちすくむだけ

          僕はそんなちっぽけな人間



          世界よいつか思い通りになれ

                   そう思うだけ









だれか 僕に伝言はありませんか―――――?

:…2005.02.01.
稲ソロの中で、最も衝撃的だった曲「透明人間」。
この曲については、色んなイメージが湧きましたが、一番普通のバージョン。







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