BUS STOP!!!01


貴方と会ったその瞬間。

運命だと思った。

何でこんなにも家から近いライブハウスだったのに気付かなかったんだろう?

貴方の存在を。

皆はボーカルばっかり見てたけど。

私の目は、貴方に吸いつけられた・・・。

キーボードの、貴方に。

バンド名は―――――「BUS STOP」・・・



ちょっと嫌な予感がした。

何?「バスストップ」?まさか、バス停って意味だったりしないわよね?

ライブハウス「Ruby」のマスターに聞いてみた。

貴方の本業・・・

いや、貴方たちの本業・・・

ボーカル・ギター・ベース・ドラム・・・そして貴方のキーボード。

全員が全員、バスの運転手らしい☆

な、舐めるなぁ〜っ!?

私が一体どれだけバスに酔うかわかってるわけ?

貴方に会おうとしても、ライブハウスでしかやっぱり会えないの?

会いたいのに!もっとたくさん!!!

いや・・・でも。

貴方のためなら・・・克服できるかな・・・?



っていうか、貴方がどのバスに乗ってるかわからないじゃんっ!!!

ちょっと駄目だ。

笑っちゃうぐらいに・・・・・・

先が、暗いよ・・・。





ふう。

今日も毎日毎日学校で、疲れる。

ちなみに私はこの春で高校2年になりました!

バス酔いがひどい私は、皆が使ってる学校までの直通バスに乗れず、一人で電車通学。

まぁうちの学校までの直通バスを、貴方が運転してるんならいいけど・・・。

今日もいい天気で、駅までの自転車の道のりが快調!

雨の日は・・・涙ながらに車で送ってもらうことになるからな〜。

車も、バスほどじゃないけど・・・酔うから・・・ネ・・・。

あ〜、なんか悲しくなってきた!!!

そろそろ周りの草花たちも色づいてきて、季節は・・・夏・・・の前に・・・

梅雨、梅雨が来る・・・。

結局16になってもバス酔い、車酔いの治らなかった私だから、この季節は本当につらい。

ライブハウス・・・家から近くてよかった!

遠かった日にゃ、行っていたかもわからない。

だから私の行動範囲は狭いんだよぉ〜〜〜!!!

キキッ

自転車を駅の側の自転車置き場に止めて、降りる。

「あ〜・・・鍵掛けとかなきゃ・・・」

前、自転車を取られて涙ながらに家までバスで帰ったのは、そう遠い昔のことじゃない。

歩いて帰るのは・・・ちょっと距離として無理だし。

っていうか、男でも殆ど自転車で来てないのにね。

私が少し苦笑しながら、ばっちり鍵を掛け終わったときだった。

「朗菜(リョウナ)〜っ。」

自転車置き場の上を通っている歩道橋の上から、男が急に私の名前を呼んだ。

かなりの唐突だったその声に、少し驚きながらも見上げてみた。

「あ、亘(メグル)ッ!!!」

「覚えててくれたか!?卒業以来だな!」

それは、中学の時に同級生だった小川内亘(オサナイメグル)。

結構仲良くって、私と、もう一人の女の子と、こいつと、もう一人男の4人組でいつもいた。

いっつもつるんでたのに、なぜかクラスは3年間一緒で!!!

中学・・・スッゴク楽しかったなぁ☆

高校は、女子2人と男子2人に別れてしまったけど・・・

あれから、メールとか電話とかはしてたけど、忙しくてなかなか遊べなくて・・・本当に久しぶり。

「覚えてるに決まってるじゃない!」

私は満面の笑みでそう答えた。

「今から、どこ行くんだ?」

こんな平日の朝早くに、こんな質問をするか?

と半ば呆れつつも、私は答えた。

「どこ、って学校に決まってるよ!」

「いやいやいやいや!」

いきなりぶんぶん首を振り出す亘。

ますます意味わかんない!

前々から確かに意味わかんない奴だったけど・・・。

「ちょっと待ってろよー!」

急に、そう言うと、さーーーーっと駆け下りてきた。

そして、息を弾ませながら私の前に立った。

中学の時は、私よりちょっと背が高いだけだったのに、もうかなり高くなってる。

ちょっと見上げないと・・・顔が見えないよ・・・。

でも、一体亘は何をしたいんだろう?

「な、サボろうぜ。」

少しさっきより声のトーンは落としていたけど結構大きな声で亘が言った。

いきなりのその言葉!

私は思わず目が点になったに違いない。

「はぁ?ちょっと、何言ってるの?私、嫌だよ。」

私の心からの拒否にも、亘はにやっと笑ってこう言った。

「大丈夫!・・・梨伊子も隆樹もいるから!」

梨伊子と隆樹っていうのは・・・さっき言った、中学でつるんでた仲間なんだけど。

でも・・・え?

「隆樹はともかくとして・・・梨伊子も!?」

「ああ。」

「え、何でっ!?」

梨伊子は、凄いなんていうか・・・『秀才』っていうタイプなんだ。

だから、学校とかは絶対にサボらないのに・・・授業も寝てないし。

「俺と隆樹で誘った!何十回もな。」

得意そうに言う亘だけど、私には疑問ばっかりが溜まる。

「・・・いつ?」

「昨日。」

昨日って・・・。

少し、私は非難の目を亘に向ける。

「・・・なんで私には連絡なかったの?」

そう、何よりこれが聞きたかった。

「したよ。したけど・・・音沙汰なかったのはそっちだろ?」

「え゛。」

私はふと昨日から開けてもいなかった携帯を取り出す。

カチッという音と共に折りたたみ式の携帯を開けた。

・・・・・・・・・・・着信履歴・・・17件・・・

全部、亘からだった。

「ごめんっ!!!!!!」

勝手に、自分だけ仲間はずれにされたと勘違いして亘に八つ当たりまでしてしまった・・・。

なんてかっこ悪いんだろ!!!

「ん・・・じゃ、今からその罪滅ぼしとして付き合ってもらうことにしてやるっ!!!」

・・・そして結局、私はそのまま亘たちと出かけることになってしまった。

学校をサボるなんて・・・初☆ですよ本当にもう!!!



コメント:
2002.10.13.UP☆★☆
はい。やっとリクに答えます。
900GETのカヤさんへ!なんてリク!?と思いながらも書いてみました。
本当に・・・心からつらいんですよ!バス酔いって!!!
私は15にして治ってきたのでよかったのですが。。。
まぁ、主人公朗菜はそれを愛する人のために克服できるか!?っていうのがメインの話です。
でも学校はサボっちゃいかんよなぁ・・・。(笑)




2話へレッツゴー♪


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