3昴の想い


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「おはよ。」

「ああ。」

私は起きて、兄さんに、あいさつした。

いつもの通りの朝。

いつもの通りの時間。

ただ一つ違うのは母さんがいない、それだけ。

母さんが一体どんな想いでこの家をでたのかはわからない。

でも、言えることはただ一つ―――――。

「哀。」

「ヤだ☆」

「だめだ。やれ。」

「イヤ☆」

「やれぇぇぇぇ!!!」

兄さんが笑いながら大声をあげた。

フライパンと卵が用意されたキッチンを指差しながら。

「やだやだやだやだ!いいもん、独りで生きて行けなくても!!!料理なんかやだやだやだやだッ!兄さんが作ればいいじゃんかぁぁぁ!!!」

「おまえがやれぇぇぇ!!!」

私は兄さんに羽交い絞めにされた。

兄さんがすぐ側にいる。

マズイ。

こんな私の動機が聞かれたら―――――・・・。

ピンポーン

「あ?客かな?」

兄さんがそう言うと、私から離れた。

誰か知らないけど、お客さん、ありがとう―――――。



「お前の客だぞ。」

兄さんがそう言って玄関から戻ってきた。

「私の?」

誰だろ、こんな朝に。

ってゆーか私パジャマじゃん!

あわててガウンを羽織って、髪の毛をくしでといた。

「ごめんなさい!待たせて!!!・・・って昴かよぉ・・・。」

そう、そこに立ってたのは昴。

「何だよ、その言い草は?」

「いや、別に?っていうか用件は何よ?」

「きききき、昨日言おうとしてたことなんだけど。」

なんか急にどもり出したなぁ???

そういえばなんか言おうとしてたっけ?こいつは。

「早く言いなさいよ〜。こっちは忙しいんだから。」

「・・・・・。

・・・・・・・その、如月のこと・・・好きなんだ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

「え?」

「だから、おまえのことが好きなの!!!」

「誰が?」

「俺が!」

「は?」

「・・・・・」

「ちょっと待ってよ。今はそんなことマジで無理。絶対に無理だから。そもそもちょっと考えづらいし。」



「ちょっと待て。」

そう言ったのは昴―――――でなくて、兄さんだった。

「兄さん?」

「まぁまぁ、哀。そう頭ごなしに否定するなよ。昴だっていいやつかもしれないぞ?さて。ここで質問だ―――――昴、料理はできるか?」

「・・・できます。」

あああああ!昴、何正直に答えてんの!?

このバカ兄は・・・

絶対に、昴を、昴を、家の専業料理人にするつもりだぁぁぁぁ!!!

「哀は察しがついたか?そう、お前の考えている通り、昴!キミをこの家に招待するっ!!!」

「ちょっと待てィ。」

「哀、これは生きるか死ぬかの戦いだぞ?」

「いやだいやだいやだいやだ!!!」

「無理だな。俺はもう昴を家に呼ぶと決めた。」

「こンの強情兄!マジでやめてよ!!!っていうか昴もイヤでしょ?」

「いや、俺はいいよ。行きたいし。っつーか何やんの?」

「そりゃあ、この家のシェフになってもらうに決まってるじゃないかっ!」

「・・・・・は?」



「なんで俺がシェフなんだ?如月んとこの母さんは?」

「そ、それは・・・」

「とある事情でいないんだ。」

兄さんが横から口を入れる。

「とある事情、ねぇ・・・」

昴はそう呟くと、ふっと私の方を見た。

「いいですよ。料理すりゃいんでしょ?うち、両親共働きの一人っ子だったから料理は慣れてるし。でも、条件があります―――――。」

嫌な予感がふつふつと沸く。

そっと兄さんに目配せしたら、兄さんは頷いてくれた。

わかってくれたのかな?

「哀と付き合わせてください。」

案の定、予想したとおりのコト。

「それは無―――――」

「いいよ。」

私が、無理、と言おうとしたのに兄さんが急にOKした。

「兄さんッ!?」

「そのかわり、この家の中だけな。」

「はいッ!!!」

そして、昴は超満開の笑顔で帰っていった。

「兄さん〜〜〜〜!」

「家の中だけなら、いいだろ?」

―――――そこが一番、イヤなのに。





コメント:
は、ハナシの展開が自分でも読めない・・・・・・。
ちょっと私の悪いくせが出てきそうな予感がふつふつと・・・
まとまりがないからダラダラ続きそうです。(汗)


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