夢見が丘


3.光輝の夢

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次の日、約束どおり光輝は来てくれた。

「あれ、また、全く同じ場所にいるのな、おまえ。」

「あ〜・・・うん。この場所お気に入りなんで。」

・・・。

きっと、光輝は私が精霊だなんて知ったらもう・・・喋りかけたりしてくれないんだろうな・・・。

なんとかしてひたすら隠しにしなきゃね。

「ふ〜ん・・・っていうか、昨日と1センチもずれてないことないか?」

「え。そうかな・・・?あははははっ!」

しまった・・・不自然に笑っちゃったか?

や、やばい・・・。

「何、笑ってんのさ。知らないでやったんだったら凄すぎるな。俺はそこにある岩の傷を目印にしてたんだけど・・・。人間業じゃねえな・・・!」

だって、人間じゃないもん。

・・・ちょっと、言いそうになった。

「ま、こんな偶然もあるって訳。それより、早く喋ろうよ!」

そして、また・・・楽しい時間が始まった。

光輝の学校は今、勉強とかはやってなくて芋作りなんだそうだ。

「いくら戦争だからって学校のグラウンドまで畑にしないで欲しい・・・。」

「はは、それで?芋の収穫はどうなの?」

「もっちろん、俺の班が一番多く収穫してるぜ。まかせろって。」

あと、この国、日本がそろそろ戦争に負けそうになってることも聞かされた。

「もうすぐ武器がなくなる。そうすれば、日本も終わりだって父ちゃんが言ってた。」

「お父さんは何をしている人なの?」

「・・・総理大臣の裏世界でのパートナー。裏で一番顔が利くやつって言われてる。」

「へえ。総理大臣の心の支えってやつだね?いいなあ・・・・。」

「!?!?いい?いいなあ・・なんて言ったのはあやが初めてだよ。みんな、ちょっと引くぜ?」

「え、そうなん?でも、総理大臣になくてはならない人ってことでしょ?凄いことじゃんか、それ。総理大臣だよ?」

「・・・ありがとう・・・。おまえ、おもしれーな!」

「てへへ!だって、私の夢は誰かのなくてはならない人になるってことだもん!」

「夢・・・か。」

「ん?どうしたの、光輝???」

「俺、夢があるんだ。小さいかもしれないけど、俺にとっては大きい夢が。」

「え〜〜〜???どんなの?聞かせてよ!」

「この、広島の町に小さくてもいいから店を開きたいんだ。」

「へえ。どんな店???」

「・・・笑うなよ?」

「笑わないよ〜。」

「・・・花屋。」

「ええーーー!!!花屋かぁ・・・。ちょっと意外・・・」

「あーあー!みんなそう言うよ!」

「ごめんごめん。じゃあさ、そのお店ができた時は一番に私に教えてね!」

「ああ。っていうか、来てくれよな!」

「えっ・・・あ、うん。」

・・・。

ごめん・・・行けないよ・・・。

でも、その夢について話している光輝はきらきらと輝いているように見えた。

私たちが話に夢中になっているうちにまた、5時の鐘がなった。

「じゃ、おれ門限あるから・・・。」

「うん。わかった。明日も・・・来れる?」

「来れなくても来る!!!じゃあな!」

そして、走り去っていく光輝。ありがとうね・・・。

だい・・・すきだよ。



そして次の日・・・。

その日は生憎の雨。

これじゃあ流石の光輝も来れないよな・・・。

案の定、光輝は来なかった。

私は独り・・・寂しく雨の中突っ立っていた。





コメント:
幸せなあやちゃん&光輝デス。^^
次から一応、物語が展開するつもりですが・・・


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