キャベツの恋







「お…お願いしますっ!!!」

怪訝な視線…う、うぅ。

「悪いけど…。」

クスクスクス。周りからの笑い声。

−公衆の面前でよくやるわよねー−

−でもフられてたんじゃねぇ…−

あ〜ウルッセェな。あんたらは公衆の面前でやる勇気がないだけだろーが。

ま、フられてるけど…ね…うぅ。

私は手紙だけ押し付けて、身を翻す。

あんなもん、相手に捨てられた方が自分で捨てるよりよっぽどいいし。

ってか〜〜〜〜、もう、なんでぇ〜〜〜〜〜っ!?





「…馬っ鹿でぇ〜。」

「何で馬鹿?私の何が悪いってぇ?」

「も少しうまくやれんかったんかぃ。公衆の面前で手紙とか…普通やらんだろ?」

「でも、私はやったんだよぅ。」

学校の…さっきフられた、私の好きだった人の学校の近くのファミレス。

親友、飯田偉人(いいだひでと)と駄弁ってます。(駄弁るって死後?)

でも…今日は、一方的に私が馬鹿にされている〜っ!!!

「ルナも馬鹿だよ、本当に。しかもあの男ってクールなタイプだろ?」

馬鹿にされている私…は、采澤瑠那(さいざわるな)。現在高校1年。ちょっと馬鹿。ルナって呼んでね。(どこぞの額に三日月ハゲのある猫じゃありません)

「そうだけど、ノリでOKしてくれるかもしれないと思って…」

「だぁら、ノリで乗ってこないからクールなんだろーが…。」

飯田偉人…ヒデは、疲れ果てた、という感じで肩を落とした。

ヒデなんて呼んでると非常にサッカー少年っぽいが、ヒデは私と同じ帰宅部。

中学からの付き合い。高校も同じだった。

男女の友情なんて有り得ない、という人もいる…けど、私とヒデは恋人を越えた親友!ほぉらここに男女の友情アルよっ!(中国人?)

とにかく、私はヒデが…最高の友達として、好きだ。ヒデもそれは同じだと…思う。

こうして恋愛の相談にも乗ってくれるし、私もヒデに色々相談される。

理解できないかもしれないけど、現にこうして友達なんだからしかたがない。

「ルナは本当に、うまいこと恋愛ごとを運べねぇなー…。」

「なんだよぅ、ヒデだって彼女出来たことないじゃん。文句言えないと思うよ!?」

「俺はまだ本領発揮してねぇだけだよ、ちょっと頑張ればいけるのさ。」

「じゃあやってみんさ!?絶対無理だわ、プップー。」

「てめぇ…。あぁ、わかった。1ヶ月以内で作ったるわオルァ!」

…仲いいときもあれば、こんなときもあり。

だいたい、友達同士なんてこんなもんじゃない?貶し貶され励まし励まされ。

そんで、お互いが大切になっていくんだよね。

…とまぁ、ヒデ君は大きな啖呵を切ってくれたことですし、楽しませてくれそうですねvvv

「楽しみにしてるよv1ヵ月後vvv」





しぃん…

教室は、嫌い。

どうしてヒデとクラスが別れちゃったんだろう?

本当は、しぃんとなんてしてない。

耳を塞ぎたくなるほどの雑踏。

笑い声。

やめて。

やめてよ。

苦しい。苦しい。

ここから、逃げ出したい。







『やっほ♪o(^-^)oどう?彼女は出来そう?…無理と見た。』

『無理じゃねぇ ただ目星さえも付けてなかったから苦戦してるだけ』

『じゃー無理だね、無理。(-_-)諦めなよ。』

『やり遂げる そいえばテストどう?』

『微妙… …

ふぅ。

ケータイ片手に部屋のベッドでごろごろ。

親もいない、誰もない、私だけ。

ヒデと喋っている時間の次にこの時間が好き。

『微妙…。(^^;)ってか聞くなよ!(怒)ヒデはどうだったの?(''?』

送信。

彼女…かぁ。なんか話題変わっちゃったけど。

ヒデ、色々私に相談してきたけど…恋愛沙汰については一つもしたことないんだよね。

何だかさー、それって秘密主義じゃない?何かヤだ。

私は、今日あったこと昨日あったこと、私の気持ち、全部ヒデに伝えてるのに。

ヒデだって、私に何でも伝えて欲しいよ。

それなのに、ヒデは沢山秘密を抱えてる。私以外の人と共有してる秘密もある。

それって、ヒデの一番は私じゃないってこと?

そんなの嫌だ。

私の一番がヒデであるように、ヒデの一番も私であってくれなきゃ、ヤだ。

…ピルルルル ピルルルル…

あ、メール届いた。

メールの着信音で私の勝手な想いは途切れた。

あ〜…またやっちゃった〜。

何て独占欲が強いんだろう。

いつか、これをヒデの前でやっちゃうんじゃないかって不安でたまらない。

今のところは隠していけてるけど。

いつか、ばれてしまって…

親友のヒデに嫌われちゃったら、どうしようっ…。

『俺にこそ聞くな 前の半分ぐらいだった』

答えてんじゃん…。流石ヒデ。最初に言ってることとあとで言ってること違うよっ…。

笑える〜っ。

そう、ヒデとメールしたり喋ったりすると、私の心は、和む。

嫌なこととか、全部忘れちゃう。

ありがとう、ヒデ。

大好きだよ。

『半分ぐらいって…全部平均なかったの?…ご愁傷様。(>_<)』





学校なんて、なければいいのに。

うぅん、クラスにヒデがいればいい。

ずっと、ヒデといたい。

周りからの視線なんて無ければいい。

私は、弱い人間だから、独りじゃ生きていけない。

あぁ、どうして季節はまだ秋なんだろう。

また、他校の人に恋するしか…気を紛らわす手段は、ない。







コメント:
2003.06.21.UP◇■
ついに始まりました、キャベツの恋。5555GET朋美さんへ!!
主人公瑠那の性格がスッゴイ微妙なことに今気付きました。(オ)
ってか、凄い読みにくい話だっ…
これからもっとリクに沿っていけるように頑張ります…。。。




2話へッ!!!

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